およそ2か月ぶりの公式戦開催となったスーパーGT第4戦SUGO。GT300クラスの予選では、VivaC 86 MCがレコードタイムを大幅に更新する1’17”493秒を叩き出し、開幕戦岡山に続き、今季2度目のポールポジションを獲得した。アタックを担当した松井孝允にとってはGT300キャリア初のポールポジションとなる。GT500クラスは予選P1終盤で、開幕2連勝と好調だったMOTUL AUTECH GT-R。SPコーナーのアウトでコースオフしフロント部分からスポンジバリアにクラッシュ。ドライブしていたロニー・クインタレッリは無事にクルマを脱出できたが、これにより赤旗が出され残り1分弱というところでセッション中断となった。



審査委員の決定により、セッションはそのまま終了に。この時点で午前中好調だったS Road CRAFTSPORTS GT-RやWedsSport ADVAN RC Fなどが十分にタイムを出せておらず、そのままノックアウトが決定。MOTU GT-RをはじめフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rは0.050秒足りず9番手、さらにカルソニックインパルGT-Rも1分11秒台のタイムが表示されていたが、赤旗等の兼ね合いによりタイムが無効になりまさかの13番手に。結局、日産GT-R勢は4台すべてがQ2進出タイムに届かず、揃ってQ1で姿を消すという波乱の事態となった。公式予選Q2。GT500クラスは大嶋和也がアタックを担当したWAKO’S 4CR RC Fが今季初ポールポジションを獲得した。

大嶋にとっては、2014年の開幕戦岡山以来となるポールポジション。セッション終了後、「すごく緊張しましたけど、120%の走りができました」と満面の笑みを浮かべた。パートナーのアンドレア・カルダレッリも笑顔で大嶋を迎え、喜びを分かち合っていた。 そして監督就任後、初のポールポジション獲得となった脇阪寿一監督も「今回はマシンを壊してもいいから思いっきり行ってこいと言って送り出しました。大嶋らしい走りが存分に出たのではないかと思います。この調子で明日も行きたいです」と笑顔が絶えない様子だった。

開幕から苦戦をしていたNSX勢は・・・

今回のSUGOラウンドからエンジンのバージョンアップを敢行。さらに車体のセットアップを大幅に見直して巻き返しをねらいます。予選日は曇り空で気温と路面温度は上昇せず、ドライコンディションでのタイムアタックとなりました。午前中のフリー走行で#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがトップタイム、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTが3番手タイムを記録するなど、NSX CONCEPT-GTの戦闘力が着実に向上していることを感じさせました。

午後に行われたノックダウン方式で行われる予選では、上位8台で決勝グリッドを争うQ2に3台のNSX CONCEPT-GTが進出しました。Q2では、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越広大選手が1分10秒705のタイムを記録して2番手フロントローを獲得。#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが5番グリッド、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが7番グリッドを獲得して決勝レースを迎えることになりました。


 


「体制の変わったチームでポールを獲れて嬉しい」

大嶋 和也

僕たちは、このところポールポジションを獲っていなくて『テストでは速いけど…』ということが続いていただけに、こうしてポールポジションを獲ることができて嬉しいです。でも、今日は久しぶりに緊張しました。最近はチームの雰囲気も良くて、今日も(マシンに)乗るのが楽しみだったし、実際に乗っても楽しかった。だから120%攻めて走って、リア(タイヤ)も滑りっぱなしの状態でしたが、上手くまとめることができました。本当に良かったです。ただ今日は予選で、本当ならば明日(の決勝で)勝ってから喜ぶべきだと言うことは分かっています。でも、今年からチーム体制を大きく変えてアンドレア(カルダレッリ)に来てもらい、脇阪(寿一)さんにも新たに監督として来てもらいました。その新しい体制で、やっとポールを獲ることができたので、素直に喜んでいます。脇阪監督にはチームの雰囲気を変えてもらっています。メカニックさんのメンタルな部分も随分、だからチームの空気が明るくなりました。それにクルマの基本セットもSUGOのテストから少し変えてもらいました。そんなこんなで大きく体制の変わったチームでポールポジションを獲ることができて嬉しいです。タイヤとかに関してはアンドレアも言っていますが、(6月の)SUGOテストでいろんなコンディションで走ることができて、いいデータを採ることができました。それも、今回のポールに繋がったと思っています。決勝でも勝って、またこの場所に来たいと思います。

「決勝に向けても自信があります」

アンドレア・カルダレッリ

今の気持ちは最高です。SUGOではテストの時から好調でした。今週末は、チームが素晴らしいクルマに仕上げてくれて、今朝の公式練習からクルマのコンディションは良かったのですが、午後の予選に向けて、クルマはさらに良くなっていました。自分はQ1を突破してカズヤ(大嶋和也)さんに繋ぐことができた。そうしたらカズヤさんも素晴らしいドライビングで。本当に最高の1日になりました。先月に行われたテストでは路面温度が低かった。そのテストのデータから、ワイドレンジでタイヤを用意してもらったので、今回のコンディションがとても涼しくて路面温度も(予想より)上がらなくても何も心配もしていませんでした。ロングランのテストもできているので、明日の決勝に向けても自信があります。予選で選んだタイヤですか? 今日の気温にも合っていたし、明日の(予想される)気温にも合っていると思います。

「本当に嬉しいポールポジションになりました」

土屋 武士

(ポールポジションって)こんなに嬉しかったんだ、と思いなおしたほど嬉しいです。今回は何度も何度もテストを重ね、完璧な準備ができたのが大きかったですね。こんなに順調なレースウィークは初めてです。今回選んだタイヤはハードで、今日の気温や路温からはかた過ぎるものでしたから、(午前の練習走行に)前もってスクラブしていました。それほど準備は完璧でした。でも、最大の要因は(Q2の松井)孝允のドライビングです。1分17秒4なんてタイムは僕も敵わないくらいのタイムで、とても見えてきません。だから『チームのおかげ』とか『武士さんのおかげ』とか言わずに『自分のドライビングでポール獲った』って言えばいいのに、と思うくらいです(笑)。でも予選の前には隋分とプレッシャーを掛けていて、今日、ポールを獲れなかったら『罰金100万円だ!』とか『丸坊主にするぞ!』とか言ってたんです(苦笑)。今年、チームのターゲットはもちろんチャンピオンですが、(何度も)ポールも獲りたい。で、僕はもう10回くらいかな、ポールを獲っているので、(自分の記録を)10回を11回にするよりも(松井の)0回を1回にしたい、という気持ちがありました。それに孝允が答えてくれた格好で、本当に嬉しいポールポジションになりました。あと、SUGOの神様、かな。実は(東日本大)震災の直後、最初にSUGOを走ったのは僕なんです。それ以来、ここではいいことが続いていて、ここの神様が味方してくれたのかもしれませんね。

「明日は僕がちゃんと走れば優勝できると思っています」

松井 孝允

SUPER GTで(初めての)ポールを獲ることができて、素直に嬉しいです。開幕の岡山でも(チームとしては)ポールを獲ることができていますが、あの時は僕がQ1でミスしたのを(土屋)武士さんがQ2で挽回してくれての逆転ポール。自分としてはとても悔しかった。今回は任されたQ2で、自分の走りによってポールを獲ることができて嬉しかったです。
でもガレージでクルマを造ってくれたチームの皆さんや、クルマを仕上げてくれたエンジニアとしての武士さんや、クルマを作ってくれた皆さんのおかげで獲れたポールポジションだと思っています。罰金は何とか勘弁してほしかったですね。丸坊主の方がいいですよ(苦笑)。明日のレースの作戦は…、“明日は明日の風が吹く”ですかね。いろんなパターンで展開を考えながら、武士さんが作戦を考えてくれるので、僕はもう走るだけ。僕がちゃんと走れば、優勝できると思っています。