今ではYouTubeなどの動画投稿サイトを見れば、ほとんどどんなスーパーカーでも走っている姿を見ることが出来る。美しい公式プロモーション・ビデオや、自動車メディアによるレビューももちろん楽しいが、中でもつい興味を引かれてしまうのが、”街で見掛けたスーパーカー“ではないかと思う。2014年に公開された動画で、最も筆者の印象に残ったものをご紹介させていただこう。

当時、このレース・シリーズのトップカテゴリであるGT1クラスには、公道用モデルを1台だけでも製作すればホモロゲーション(出場資格の型式認定)が取得できた。だが、メルセデス・ベンツでは、というよりAMGのファクトリーでは、1998年から1999年に掛けてCLK-GTRの公道仕様車を全部で25台ほど製造(20台がクーペで残る5台はオープントップのロードスター)。日本にも数台が輸入され、とある有名ミュージシャンが所有していたことはよく知られている。

CLK-GTRという名前が表す通り、フロント・マスク(だけ)は初代「CLK」のイメージを踏襲しているが、全長4,870mm × 全幅1,970mm × 全高1,160mmというプロポーション(微妙に異なる諸説あり)は、公道走行に対応するためか若干高めの車高を除けば、レーシング・プロトタイプそのもの。ただし革張りの内装やエアコン等を装備するため、車両重量は1,440kgと結構重い。イルモア・エンジニアリングによるV型12気筒エンジンは、排気量がレース仕様車の6.0リッターから6.9リッターに拡大され、最高出力612ps、最大トルク79.0kgmを発生するという。もちろんミドシップに搭載され、パドル付き6速シーケンシャル・マニュアル・ギアボックスを介し後輪を駆動。公道での使用におそらく不可欠なトラクション・コントロールも装備されていた。



購入者はAMGによって厳正に審査された上で、プロのレーシングドライバーによってドライビングレッスンを受けることが義務付けられていたといわれている。そのためメーカーからの直接購入に限定され、並行輸入等はメルセデスが厳しく監視していたとされる。中古車の売買に関しても同様。