◆猛烈アピール

 新駅の予定地は住所でいえば「港区港南」。同名の駅もないことから、本来なら本命視されるはずだが、黙っていないのが高級住宅街などを抱える周辺地域だ。

 東側には由緒ある地名の「芝浦」。近くには慶応大学 三田キャンパスがあることから「三田」を推す人たちも。その中で、活発な動きをみせるのが「高輪」だ。

 地元商店街はポスターを貼りだし、猛烈にアピール。旗振り役となっている地元商店会長でレストラン店主(51)は、すでに1000人分以上の署名も集め、「すぐに動かなければ後れを取る」と必死だ。

新駅周辺の位置図 周辺には都営地下鉄、京急線、JR線の田町・品川

◆公募含め検討

 JR東日本によると、新駅名が決まるのは通常、開業の1、2年前。今回は「公募も含め検討する」としているが、時期や決定方法などはいまだに「白紙」のため、論争に拍車をかけている。新駅に伴う大規模な再開発計画が見込まれており、「周辺地域の地価にも影響する」と不動産関係者も熱い視線を向ける。

 ネット上でも論争が広がっており、ひそかに注目され始めたのが、赤穂浪士ゆかりの泉岳寺だ。しかし、こちらはすでに都営浅草線京急線に同名の駅があり、実現するなら「新泉岳寺」か。羽田空港に近く、首都の南側の玄関口という意味を込めた「東京サウスゲート」などの提案もあるが、JR東日本は「大きな関心事なので、うかつに候補名などは挙げられない」と慎重姿勢を崩さない。

新駅名称はこの中から決まるか??? それとも…

 ◆折衷案も

 新駅の名称を巡っては、各地で激しい論争が繰り広げられてきた。

 15年度末に開業予定の北海道新幹線では、終着駅を巡り、北斗市と隣接の函館市との間で綱引きが発生。JR北海道の判断で、「新函館北斗」という折衷案に落ち着いた。

 長野新幹線では、佐久市と小諸市が衝突。「佐久小諸」で痛み分けとする案もあったが、当時の県知事が「この地域は小諸も含め『佐久平』と呼ばれてきた」と仲裁案が駅名に決まったこともあった。

北陸新幹線(長野)佐久平駅 新幹線ホーム