鉄道・運輸機構とJR九州は4月19日、軌間(線路の幅)が異なる新幹線と在来線を直通できる軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の新試験車両を熊本総合車両所(熊本市)で報道陣に公開した。今後走行試験を行い、九州新幹線長崎ルートへの導入に向け耐久性などを確認する。

新試験車両は全電動車方式の4両編成で、新幹線の電化方式である交流2万5000Vと在来線の交流2万Vに対応。新幹線区間での最高速度は270km/h在来線区間では130km/hとなっている。車体はアルミ製で、塗装はシャンパンゴールドとディープレッド(赤)に塗り分けられ、先頭車の側面には「FGT」のロゴを配している。流線型の先頭部の長さは8mあり、ライト周りの一部にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使用するなど、軽量化に配慮した構造となっている。

開発費は約43億円で、車両は鉄道・運輸機構が保有し、JR九州が保守管理を行う。

 

 

  試験は九州新幹線鹿児島ルートの鹿児島中央-熊本と、鹿児島本線の新八代-熊本間の延べ60万キロで実施する。新八代に設けた接続線「軌間変換装置」を使い、新幹線軌道と在来線軌道との三つのモードを連続的に切り替えて走行する。半年間をめどに性能を確認した後、耐久試験に移る。

 13年度までの走行試験では、予讃線で在来線約7万キロを走り込んだほか、新幹線軌道と在来線軌道の変換耐久試験を約1万回実施した。さらに、試験台による時速270キロの高速走行で安全性を確かめた。2月下旬に開かれた国交省の技術評価委員会は「基本的な耐久性能の確保にめどがついた」と評価した。

 鉄道・運輸機構によるFGT開発は、これまで「FGT技術研究組合」に委託して進めてきたが、実用化を見据えて新型車両の開発から委託先をJR九州に変更。JR九州は12年度に「FGT開発推進部」を設け、開発に取り組んできた。